なぜ、ひまわり?

なぜかひまわりの花が少女期に活けられなかった。
わたしは9才から花の道に入っているが
苦手な花材に出逢うことなく40年近くの
花年輪を重ねてきたつもり。


それだが、なぜかひまわりがちょっと…って
心がいつもこの子にだけ「苦手」になっていた。
判らない。なぜかはまったく。
色や、形や、匂いや、水揚げの悪さとか
扱いづらさとか、まつわる想い出とか
いろいろたぐってみるけれど、さて。


ただひとつ、まさかとは思うけれどもね、
ひとつ思い当たることがある。
それは、ひまわりが大好きだという乙女達が
その理由に必ず挙げるひまわりのとくちょうそのものが
どうもそのような人と重なって苦手だったのかも知れない。
こんな言い方は回りくどい様だが、きっとそうなのだわ。


しかし今、これは近年になり自分のなかで昇華されて
そうしたら、ひまわりが怖くなくなったみたい(笑)


こんな花しごと人じゃあひまわりさんに悪いからもう一つ書くと
ひまわりの種類も近頃増えて面白くなってきている。
なかでも「ゴッホ向日葵(サンゴールド)」は
ゴッホの描いたあのひまわりと言われていて
主張しすぎずジェルブ(束ねる)してもほかの花材とよく馴染みます。


夏ですしひまわりに合いにお花屋さん覗いてみて下さい。
花びらがキチンと並んでいなくて、
八重で水輪を打ったような形態のものや
花びらが不揃いで、色も茶と黄色のマーブルや
ココア色なものなどなどが
憂いの笑みを浮かべていますよ。


ブルベリータルトとわき水で淹れた珈琲
窓には緑の木々と粒の細かい雨。
何も考えない梅雨のいちにち。