永遠の目的

昨日の「やまがた紀行」のランチ会場は
山形県天童市にある天童荘内に二年前にオープンした
「ガーデンカフェ」。ここだけでは人数が治まらないので
10名は天童荘で、と分かれた形をとった。
私は引率なので両方を行き来し、見学させて頂き得した気分。
天童荘は平屋の贅沢な建物で、隅々までおもてなしの心が行き届き
それでもお客に気を遣わせない居心地の良さそうな設えだった。



パンフレットをいただき見れば、「二十四節気のおもてなし」と
あり、これを天童荘の売りにしているようだ。
さらに「お客様の手のとどくところに私たちはいます。
ちいさくてもほんものを。永遠の目標です。」と続く。



天童荘はこれを貫き、バブルの波にも左右されることなく、
粛々と生き続けているそうです。
あっ、これはある山形の建設業界の方に伺った話し。



話題はやまがた紀行のランチに戻るが、
直前に到着を告げていたにも関わらず、
ランチの用意はされておらず、表向きの準備は
ただ「貸し切り」との表示とお席が並べられているのみ。



私は少し拍子抜けしたが、それがここのおもてなしの始まりだった。



メニュは事前に打ち合わせ済の「春野菜とプリプリ海老のクロケット」。
ライス、スープ、季節の果物、お飲み物を、たっぷり1時間30分かけて
丁寧に作られ、そしてゆっくり運ばれてきた。



ここのHPかどこかに「ゆったりとしたお時間をお楽しみに来てください」とか
書いてあったけれど、これに準ずる有言実行なおもてなし、と脱帽。



さてさて30分の遅れは必須。
柏倉家の数々のスケジュールを削るかどうかを旅の主催である
104のオーナーに相談し考えた結果、引率の私はここで腹くくりました。
柏倉家に向かうバスの中で、仙台駅へ予定通りに到着しなければ
いけない方が居ないことを確認してから
「今日は時間を私に預けてください、思いっきり
この旅を、そして柏倉家を満喫しましょう」と。
みなさんこれに賛同してくださいました。



駆け足し見学をしたり、聞いてみたいことを呑み込まず、
時間を気にすることのない、居心地のよい旅の環境を作るのが私の役目。
そんなことは用意周到の上、得意ですから。



ただ、バスの到着も遅れたうえに
ご当主の桂子さんが前蔵を丁寧にご説明され
質問にもキチンとお応えになられているので
お香体験の担当の先生が「炭団(タドン)がふけてしまう〜」
と焦っていらっしゃったのがお気の毒でした。
そうは言っても聞香体験はみなさんで楽しく滞りなく進み、
どうやら炭団の火も持ったみたい。


ここ柏倉家の前庭にも春の花が咲き、
冬の酒造りが終わった春の酒蔵、「さくら展」開催中の出羽桜美術館、
そしてガーデンカフェでの春のランチ、と季節を肌で感じる一日となりました。



日本人の生活と二十四節気
思いだしてみましょうか。
ちなみにわたしは二十四節気の「大雪」産まれ。




二十四節気(にじゅうしせっき)は、1太陽年を日数や太陽の黄道上の視位置によって24等分し、その分割点を含む日に季節を表す名称を付したもの。二十四気(にじゅうしき)ともいう。太陽太陰暦において月を決定し、季節とのずれを調整するための指標として使われる。Wikipedia