雅な一日

9日は私の事務所GERBEがコーディネートした企画、
日帰りバスの旅本番の日。
「ギャラリー104みんなの遠足・やまがた紀行」は
二ヶ月前から下準備を始め、用意は周到での出発。
一日を終え、結果は大成功!
なんたってバスを降りる30名の参加者の笑顔が論より証拠。
お客様の笑顔、これぞ仕事の醍醐味。



やまがた紀行の行き先は毎回山形県中山町にある「柏倉九左エ門家」。
それと、近隣の酒蔵見学(このあたりは私の趣味!?)と
旅の思い出になるようなランチをいただくコース。
今回で旅も4回目。
今回は分家で300年続く「柏倉惣エ門家」の「御殿飾り雛人形」も
特別に見せていただいた。
ご当主のお話によると、こちらの雛飾りを京都で修理をしてくださった方は、
数年かけた修理と復元の最中に人間国宝になられたそうです。
それでも二度ほど来訪されて完全な姿まで修復してくださり
雛飾りは現在の素晴らしいお姿になりました。



さて旅のお話…柏倉家訪問の前に、
今回知人よりご紹介をいただいた出羽桜酒造見学(もち試飲有り)と
出羽桜の社長お勧めの天童荘でランチをいただいた。




もちろんメインは「柏倉九左エ門家でゆったりと過ごす時間」。
この柏倉さんとの縁起は数年前のこと…



私が会長を務める吟趣康会は年に二度宴を開催していて
その会場は「趣き」を大事に選ぶことにしている。
その会場探しに山形まで足を伸ばしたときに
一般公開していた築360年の元大庄屋である柏倉家に立ち寄った。
昼過ぎに入り、門を出たのは2000坪の柏倉家を闇がすっぽり包んだ夜。



ご当主の桂子さんは16代目で最後のご当主になられる。
その日桂子さんはなぜか私を離さなかった!
今思うと、嬉しいことに話し相手にしていただけたのだわ。



そのとき彼女が言った言葉が忘れられない。
「仙台からもたくさん人をお連れしてほしいのよ。
この柏倉家を観に来てくださるかたが大勢いたら、
町や県も保存する必要性を分かってくださるの。
柏倉家の歴史を後世に引き継ぐこと、
それが私のお役目ですもの。
これは分かってくださる方、人から人への草の根運動
それしかないのよ。」



私は旗立てられたと思った。
それからは私が仲間とでできることだけやってきました。
タケノコ掘り、お掃除のご奉仕、お香の体験、そしてバスの旅。
柏倉家のファンを増やしたい、そんな気持ちで。



こつこつとやるものですね。
今回参加された約30名の方の中には
文化芸術を生業にされている方が数名参加されていて、
柏倉家にあるギャラリー北蔵(100畳くらいはある?!)
を使用しての企画話しも出てきました。
その内容は、文化村としてやっていく柏倉家3軒を舞台に
無理なく実現できる、この場所にふさわしい、そう感じた。




無理はせず、やってもらいたい人がいて、
やりたい人ができることをする。
私はそれをまとめる役目。
こんな自然な流れで柏倉家を活用できるチャンスが
やってきて本当に良かった。
桂子さんのお喜びなる笑顔がまた見れるかな。

柏倉九左エ門家のお雛様のひとつ。
赤い段通は(緋毛氈では無く)300年は経っているもの。
撮影禁止だけれど許可を得て。

柏倉惣エ門家の御殿雛飾り。