仙台のある小学校では、毎年卒業式用のコサージュを、卒業生とその父兄が手造りし、子供が造った物を親が、親が造った物を子供が、式の当日それぞれの胸を飾る慣習があるそうだ。

縁があり今年その仕事が廻ってきた。
6年生2クラス、校長先生と親子合わせて約100名分を教える。
昨年までのコサージュとは違う、写真にも残る晴れの舞台にふさわしいデザインを考えようと思う。報酬はお金ではないもっともっと価値のある仕事だと感謝する。
卒業式当日行ってもいいかなあ。ぜひ観て見たいなあ…思えば叶う。


自分は子供達の卒業式を今まで8回経験してきた。
忘れられないのは息子の小学校の時だ。
5年生のとき先生からの理不尽ないじめもあり、卒業時も同じ担任だったので複雑な気持ちのまま卒業式に臨んだ。式後の謝恩会の時に、息子からのお手紙があった。中に書いてあった「…お仕事頑張ってください…」のくだりに涙はとめどなく出た。彼が5年生になった時から本格的に勤めに出た私は、彼がいじめに悩んでいることなどまったく気付かなかった。まだまだ子供の心は、きっと母親に話したいことをたくさんたくさん自分の中にしまいこんでいたのだろう。仕事にのめり込む母親はいつも忙しそうで話しかける隙が無かっただろう。その頃の自分は確かに余裕がなかったから…。息子が卒業する頃にやっと気づき、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。働く母を嫌っていると思っていた。が、「お仕事頑張って」だ。本人は寂しかっただろうに、それでも母を気遣う息子の気持ちに泣けた!!
私はこの頃から、自分と子供達の関係がずれていないかを、時々少し離れたところから観るように心掛けたと思う。私は母性本能に欠けたまったく未熟な母親だった。


卒業式に花を添えるお仕事をいただいたと、真っ先に子供達に報告したいのでした…