春と言えば

生け花の花材は季節感たっぷりのモノが多い。
季節を庭から切り取り床の間などに飾るといった感じかな。


春と言えば、枝は「芽だし」が花屋さんにあふれ出てくる。
芽だしとは、冬に葉の落ちた枝から葉っぱの芽が出て、
まだ葉が広がっていない状態のものを言う。
芽だしでよく使われるのは、紫陽花、朴の木、ナナカマドなどがある。
芽だし紫陽花は生け花時代に何度生けたことか!
ヒョイと伸びた葉のない枝は格好が取りにくく
ずいぶんと悩まされた記憶あり。


これらとは違って、葉よりも花が先に咲くのも春には嬉しい花材。
桃、桜、梅は定番として、マンサク(「先ず咲く」から来ている名)、
蝋梅(香りが良い)、レンギョウミツマタなどなど、庭にも咲いていますね。
これらは活けるのにバランスが取りやすく、花も付いているので美しさも出しやすいかな。
春飾るお花は、たとえ生け花じゃなくても枝ものをチョイスするのはお勧め。
季節を家庭に取り入れるのに枝ものはピッタリですもの。



この季節の私は歩いていても車中からでも
樹木があるところではついキョロキョロしてしまう。
特に春の枝ものでミツマタの木を見つけるとワクワク!
ミツマタは名前の如く、枝分かれが必ず三つになっている木です。
花はミツバチの巣のように、枝にぶら下がっていると言う感じ。
色は薄いやまぶき色で筒状に咲きます。


仙台の五橋中学校のところにある交差点(二番丁)の北東角のお店には、
オープン時から店の前にミツマタの大きな鉢植えが置かれています。
木全体のフォルムがとても美しくて、私は一年中楽しませていただいています。
        
        三日間アトリエの隅に忘れられていた薔薇。
        あわてて水に戻したらこんなに綺麗に咲いてくれた。