浮かび上がる金色の雲

昨日は山形県中山町にある、柏倉九左衛門家に行きました。
毎年させていただいている、水神様のお清めと、
今進行中の企画でそのテーマが「モダンジャパネスク」の
ヒントを探しに、そしてなにより御当主の桂子さんに会いに。


水神様とは、江戸時代から柏倉家生活用水になっている
湧き水を溜めている石桶のこと。
石をくりぬいた大人がひとり入れるくらいのもので、
水抜きのない桶状になっている。
現在でもこれが柏倉家の生活に使用されています。


絶えず流れ込む水は、伏流水なので養分があり、
石の内側に薄く苔が生えてきます。
ですので一年に二度水抜きをして塩で清め洗いをするのです。


四年前まではご自分でされていたようですが
ここ数年はありがたいことに私の仲間がやってくれている。
今回はうちのパパとKちゃん。
勝手知ったる他人の家とはよく言ったもの。
手慣れたもので、スイスイと水神様は美しくなりました。
得を積んだわねおふたりさん。


お盆の日曜日とあって、昨日は拝観のお客様が絶えずいらっしゃり、
私も急遽お手伝い、お客様の案内に大忙し!
4時閉館となり、やっとひと段落。
お抹茶に御干菓子でいっぷく。


また、昨日は最近出てきた古文書の目録を、
山形大学のゼミ生が作成していたりと、
築300年の柏倉家は活気に溢れていていい感じでした。


桂子さんは同行した私の仕事仲間のため特別に、
柏倉家の迎賓館と言われている蔵座敷の
鍵を開けてくださった。
一歩中に入ったとたん、時代は江戸にタイムスリップ。


いつも大勢の人を仙台から連れていくので、
私は案内役で、なかなか自分の気持ちでココにいることがないのだけれど、
今日は完全にプライベートということで、
静かな気持ちで、日本の技と贅で作り上げられた
宝の間に座らせていただいた。


陽が傾き、壁の金箔模様が浮き出て見えてきた。
現代の住宅ではけっしてあり得ない、この感性。
私の仕事の中で、ココの気が生きていること、
いつか桂子さんに見ていただきたい。
そんなコト考えた柏倉の一日でした。