熟練の花仕事の人

新しい仕入先に、三週通った。
花仲買の70代の店主は、花へのこだわりを私に語る。
わたしはその話を聞くのが好きだ。


花は新鮮さが命。
保存庫(花を入れておく冷蔵庫)は置かない。


花持ちのいい種類を見極めて買い入れ、
三日で売り切る量を曲げず、
しかし種類が少ないことを私に詫びて、
しかし誇りを持って、いい仕事をしなさい、と送り出す。


かつてはジャンジャンと花が行き交い
栄華を誇ったこともあったであろう仕事場。
ピカピカの磨きあがったステンレスに、
嬉しそうに乗せられた花たちは
ここ三週間の間、質の高さと新鮮さを
私の花しごとに繁栄している。


ここの社長の意気込みが
私を通して、活けこみされた店にいい生気を送り込んでいる。


そのことを、私は毎週彼に伝え、ともにニンマリすりのだ。


モノはどんな人の手を介し、この手元にやってくるのか…
それが本物の人たちであれば、間違いがない。
次の人に手渡す商売人にはその責任がある。
お〜私ってかっこいいこと言ってるう。