柏倉九左衛門の欅と酒

         
         樹齢800年、皮一枚で生きていて、中はがらんどうの欅。
         夕暮れに下から見上げた葉の落ちた枝。龍にも見えるね。
         定禅寺通りの欅とは全然違うね、この年季は。
今年の9月に設立したNPO柏倉家文化村。
山形県中山町にある、跡取りのいない3軒の柏倉家住宅はどれも築300年以上。
新建材を使用せずに江戸の姿を残す貴重な文化財だ。
昨年一軒が空き家になり、あとの二件はまだご当主の生活の場になっている。
しかし跡取りはなく、その存続を懸念した地元の有志によってNPO法人は立ち上げられた。
私も設立社員にお声掛けいただき、有り難くも名を連ねている。
私は4年ほど前に柏倉九左衛門家16代当主の桂子さんと出逢い、それ以来何度と無く訪問し仙台にも多くのフアンを作る努力をしてきた。


その忘年会があり行ってきました。
山形市までバス、左沢(あてらざわ)線で羽前長崎駅まで、あとはタクシー。
道々考えたら、山形市から柏倉家までかつてはぜ〜んぶが柏倉九左衛門家の土地だった!!事を思い出し、なんて凄い家だってんだ…とため息。
まぁそれは昔のこと。
それで、忘年会では「小濱さんなら冷酒でしょ」と初孫ブルワリーの吟醸新酒「冬のカノン」を頂く。
酒度+4のキレの良い上品な薫りの新酒でした。お料理には合いますね。
ところが、NPO代表のM氏は、ものたんねー、と「純米吟醸酒・柏倉九左衛門」を持ってこさせ(代表の店なので何でもありかいな)コップに!
「おれはこっちがおじづぐなぁ」とニンマリ顔。
この方私と同い年で仁王様な面構えで豪快で面白い。
そんでもって私まで、冬のカノンと柏倉九左衛門酒をコップで並べてお付き合い。
しかし事前に「車に乗れないほど呑まないこと!」と仙台の仲間に釘を刺されていたので控えましたです。


お酒はちょうどいい加減に呑めば、なによりの潤滑油。
NPOのタコ事務局長(だってお酒で赤いんだもん)とも今後の展開の話なども出来て、ホントにきて良かった。
300年前の九左衛門家の忘年会なら、山形まで籠で迎えにきてくれたのかなぁ。
あぁロマン。